県産材の建物ができるまで

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建てる

新潟で育った木を使って、
家や施設を建てる建築部門で
働く方にインタビューしました

株式会社八幡建築

有限会社柳工務所

職人による、丁寧な家づくりを

大切にしていきたい

株式会社八幡建築

代表取締役

八幡 良行さん

胎内市出身

Q1.建築業をはじめたきっかけは?

私はもともと大工の見習いから入ったんです。大工の仕事も面白かったのですが「自分で家を設計することができたらもっと面白そう」と考えて、24歳の1997(平成9)年に独立しました。 2016(平成28)年に宅建業の免許を取得したので住宅と土地をセットで提案できます。大工をやっていたときに職人の技術を学んだ経験が、自分の強みになっていると思います。

Q2.家づくりで大切にしていることは?

お客様の希望を丁寧に聞いて、お客様が考える、住みたい家を形にすることです。
そして木材を多く使った家づくりを提案しています。

Q3.木を使った家の魅力は?

内装に木材を多く使った家は温かみがあり、様々な木を組み合わせることで家の表情をより豊かにしてくれます。自社工房でオリジナル家具を作ることができるので、部屋のサイズや目的に合わせたテレビ台、棚、テーブルなどをオーダーされるお客様が多いです。また、スギやヒノキの床材は柔らかく、肌触りも良いので床暖房を入れなくても暖かさが感じられます。傷が付きやすい面もありますが、その傷も家族の歴史として、末永く愛着を持って暮らせる家になるでしょう。

天井、床、造作家具の木の質感で
温かみのあるリビングを実現

梁や造作家具、欄間など、
細部まで木の風合いが心地良い家

Q4.この仕事をやっていてよかったと思うことは?

家が完成してお客様に喜んでもらえることですね。
家が完成した後にお手紙などで感想をもらえるととてもうれしいです。

Q5.県産材についてどのように考えていますか?

住宅の構造材に県産材を使用しています。構造材は住宅完成後は見えなくなってしまいますが、だからこそ良いものを使いたい。地元の土壌で育ってきた木を構造材に使った家が、地元の気候や環境に一番適する家になると思います。10年位前から外国から輸入された安い木材が流通してきましたが、今はウッドショックで流通がありません。県産材が注目されるチャンスかも。今後も県産材の安定供給を望みます。

現在、建築中の家。
構造材にたくさんの県産材が使用されている

Q6.今後、どのように建築業を展開していきたいと考えていますか?

今は家づくりといっても様々なやり方があります。私は、家とは長く住み続けるものと考えているので、昔ながらの職人の手で、土台から丁寧に時間をかけて大切に作るやり方が良いと思っています。木の使い方、活かし方を熟知した職人による家づくりを続けていきたいのですが、残念ながら今、建築業界では深刻な職人不足問題があります。これからの建築業のためにも若い職人を育てていきたい。家づくり・大工に興味がある人が増えて欲しいと思います。

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取材協力先

株式会社八幡建築

〒959-2624 新潟県胎内市羽黒1052
TEL:0254-43-5227
HP:https://www.yawata-k.com/

家を建てるには

山で立木を見ることから始める

有限会社柳工務所

代表取締役

柳 洋治さん

十日町市出身

Q1.工務所をはじめたきっかけは?

曽祖父が創業し、私で4代目になります。祖父も父もカンナで木を削る、頑固な根っからの職人で、昔は十日町に祖父や父が建てた木造の家や校舎がたくさんありました。現在の社員のうち10人が大工で、一番長く働いてもらっている人は父の代からの熟練の職人さんです。私は入社から約50年になります。前社長が倒れるまで大工をしていました。当社では私を含めて数人の大工が社寺の建築や補修を手掛けていますが、父からは社寺の彫りなどのさらに高い技術を教えてもらいました。

Q2.家づくりで大切にしていることは?

ありがたいことに「木を使った家を作りたい」と依頼されるお客様が多いので、地元のスギを使い、それを活かせる知識と技術を持つ大工が心を込めて、雪国仕様の家を造っています。家づくりの依頼があると、個人の山へ行って木を見ることから始めます。小さな会社が立木から買うのは大変で、手間を考えると地元の市場から木材を買った方が楽ですが、 「丸太ではなく、立木を見て買え」という父の言葉を受け継いでいます。当社のように立木を見るところから家を建てる会社は少ないと思います。

木が大好きな柳さんは
古材も倉庫に大切にとっておいている

Q3.立木から見る必要があるのはなぜですか?

実際に木が育っている様子を見て、木の活かし方を決めるためです。立木の倒し方によって木の使い方も変わります。「木を使った家は高価」というイメージがあるかもしれませんが、木の端まで上手に使うなど工夫をして、お客様の家に適した木材を安価で提供しています。手間がかかることなので、やめようと思ったときもありました(笑)。結局、山と木が好きだから続けています。私のやり方はお客様にも伝わっているので、山(山林)を持っているお客様から「うちの山の木で家を作ってください」と依頼されることもあります。

Q4.木を使った家の魅力は?

ここ(自社2階のショールーム)は8年前に十日町のスギやケヤキなどを使って建てましたが、まだ無垢の木の香りがするでしょう?見学に来たお客様も「木の香りが心地良い。空気がすっきりしている」と喜びます。木は生きているので、木を使った家はいつまでも気持ちが良いんです。3センチ厚さのスギ板を使った床も、夏は涼しく、冬はあたたかく快適です。壁や天井にも無垢板をアクセントに使ってナチュラルな雰囲気にしています。自社大工が造ったテーブルと椅子も木のぬくもりを感じてもらえると思います。

木の香りが気持ち良い、
地元十日町の材をふんだんに使った2Fのショールーム

ダイニングの椅子は柳さんが端材で造作。
左からケヤキ、エンジュ、スギで作った椅子

Q5.県産材についてどのように考えていますか?

十日町のスギは硬くて粘りがあり、強度に優れているのが特徴。やはり雪国の家は雪国のスギで造るのが最適です。強度のある十日町のスギで作った床板は固いので傷も付きにくいです。こんなに強いスギはどこにもないので、もっと県内外にアピールが必要です。雪国は根曲がりの木も多いですが、社寺を建てるときは根曲がりの部分を活かして使っています。十日町市では市内に十日町市産木材を使用した住宅を建築・増築する建築主に対し、支援を行っているので、活用してほしいと思います。

Q6.今後、どのように林業・建設業を展開していきたいと考えていますか?

若いときから父と一緒に山に行き、伐採した木で家を造ってきたので、現在の林業の衰退は寂しいですね。今年、5代目を継いだ息子にも、木を見る技術を持つ大工による家づくりと立木から買うやり方を引き継いでもらいたいです。今、興味深く取り組んでいるのが古民家の再生です。大工にとって技術の見せ所でもあり、「柳さんならできると思って」と依頼があるのもうれしいです。築100年以上の古民家の立派な柱や梁、丁寧に作られた建具や欄間など、良い木材と大工の技で造られた家を活かし、後世まで残していきたいです。

手前の黒い木材は古民家で使用されていた梁。
新築用の木材と組み合わせて新たな家へと生まれ変わる。

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取材協力先

有限会社柳工務所

〒948-0065 
新潟県十日町市高田町3丁目西23番地1
TEL:025-757-8771
HP:https://www.yanagikoumusho.com/

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